成人病・・・今は生活習慣病といいます
肥満・喫煙などの生活習慣が原因とされてる病気の総称で病名ではありません。喫煙は最大リスクであるというデータがあります。
昔は加齢によるものが原因とされていた『脳卒中(のうそっちゅう)』『心疾患(しんしっかん)』『がん』が『成人病の三大疾患』とされて対策などされてきましたが、若い頃からの喫煙や食習慣などが原因に関わっていることがわかり、加齢が原因だけではないので『成人病』を『生活習慣病(せいかつしゅうかんびょう)』としました。
脳卒中(のうそっちゅう)(脳血管障害)
病名ではありません。脳血管障害と言います。以下の総称。
脳梗塞(のうこうそく):血栓(*1)などで脳動脈(*2)が閉塞(*3)するのが直接の原因です。血管の閉塞で酸素や栄養が行かなくなり脳組織が壊死(*4)します。
脳出血(のうしゅっけつ):脳の血管が破れ出血した状態です。血腫(*5)によって脳が圧迫されて意識障害(*6)や麻痺(*7)などの症状が出ます。
くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ):脳は表から硬膜(こうまく)、くも膜、軟膜(なんまく)という三枚の膜で包まれており、そのくも膜の下で出血した状態です。脳動脈がこぶ状に膨れてそこが破裂して出血するパターンが一番多いようです。
心疾患(虚血性心疾患)
冠状動脈狭窄(*8)や閉塞で心臓自身を栄養する血液が減少して、胸痛など出現し、重篤ですと心筋が壊死し命に関わります。
がん
喫煙や肉食、飲酒、食事における食物繊維の不足・・・も原因と考えられています。人間の寿命が伸びて、そうすると身体の損傷箇所の修復などに問題が生じて、がん化することも考えられます。
高血圧
日本人は3000〜4000万人が高血圧と言われております。収縮期血圧140㎜Hg、拡張期血圧90㎜Hg以上が『高血圧』と言われます。
動脈硬化が進むと血圧が上がる傾向になります。脳血管障害(*9)、心血管障害(*10)や腎障害(*11)等の合併症を起こす可能が高まります。
喫煙は肺だけではなく、口腔(こうくう)、咽頭(いんとう)、食道(しょうくどう)、胃(い)、膵臓(すいぞう)、腎臓(じんぞう)、膀胱(ぼうこう)、結腸(けっちょう:大腸のこと)、直腸(ちょくちょう)・・・。喫煙は寿命を縮めます。
昔、正常な血圧の値は『年齢プラス90』と言われていた時がありました。今は上記の通りになっておりますが、老いも若きも同じ値ってことは無いと思います。若ければ血管に弾力がありますし、歳をとれば硬くなると思います。
血管の内壁も歳をとれば、余計なものがくっ付いて血流の抵抗が増えます。そうすると当然、身体の隅々に血液を送り出そうとすると、血圧をあげないと不可能になります。数値だけを見て判断するのは危険かも知れません。
糖尿病
血糖値を下げるインスリン(*12)の分泌が不足するか、分泌しなくなる病気です。
*ホルモン(*13)(生物自体の器官や組織で作られ身体を循環して、生体が活動するための調整に関係する物質群)
食後にインスリンが分泌されないと血中の糖を栄養として取り込めず、高血糖状態になりその値が規定値以上になると糖尿病と診断されます。
血糖値が高い状態が続くと糖化反応(メイラード反応ともいう)をおこし、糖が血管内皮のタンパク質と結合してその結果毛細血管から破壊されていく。微小血管が破壊された結果、糖尿病性神経障害(とうにょうびょうせいしんけいしょうがい:下記参照)、糖尿病性網膜症(とうにょうびょうせいもうまくしょう:下記参照)、糖尿病性腎症(とうにょうびょうせいじんしょう:下記参照)などの合併症が発症します。
糖尿病には『1型糖尿病』と『2型糖尿病』があり、生活習慣病として関係してるのは2型糖尿病です。
*1型糖尿病は、自身の免疫系の誤動作によって起こることが多く、ランゲルハンス島のβ細胞を攻撃してしまい、インスリンの分泌が不可能になる病気です。
*2型糖尿病は、食べ過ぎや一日に何度も食事をする習慣が続くとインスリンの分泌が追いつかなくなって、ランゲルハンス島のβ細胞が疲弊(ひへい:疲れること)してインスリンの分泌量が減ったりすることで、血中の糖分が処理しきれなくなり高血糖状態になり、糖化反応で血管が壊されます。その結果以下の合併症が起きます。
糖尿病性神経障害(とうにょうびょうせいしんけいしょうがい):血糖値が高い状態に血管、神経が晒されていますとこれらが壊れていきます(上記説明あり)。そうすると神経の働きが悪くなり、知覚神経や運動神経、自律神経に悪影響が出始めます。手脚の末端がしびれたり、熱い冷たいの感覚が悪くなったりします。
糖尿病性網膜症(とうにょうびょうせいもうまくしょう):先にも書きましたが、血管が高血糖に晒されていますと、糖化反応というもので血管が壊されますが、目の血管などは毛細血_管の集まりです。細い血管ほど早く糖化反応の影響を受けます。その結果、失明の恐れも大いにあります。
糖尿病性腎症(とうにょうびょうせいじんしょう):やはり毛細血管の多く集まる腎臓の血管(糸球体)が壊れることで起こる症状です。高血糖状態に晒されることで起こります。進行しますと腎不全となり尿毒症が起こり、透析が必要になります。
脂質異常症(ししついじょうしょう)
当初『高脂血症』と呼ばれていましたが2007年から『脂質異常症(ししついじょうしょう)』に変更されました。善玉コレステロール(HDL)の場合は低い方が動脈硬化を起こしやすいというのがその理由です。
低HDLコレステロール、高LDLコレステロール、高中性脂肪は動脈硬化を起こします。これらが原因で起こる動脈硬化は脳疾患や心疾患などを起こす原因になります。
*コレステロールは身体の細胞膜やホルモンの原料になる重要な脂質です。多すぎると血管の壁に付着して動脈硬化を起こす言われております。肝臓で作られたコレステロールは身体中に運んだり、多すぎた場合は回収しなければいけません。その時の身体中に運ぶ役割がLDLで回収するのがHDLです。
高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)
プリン体(穀物、肉、魚、野菜など食物全般に含まれる成分で、主に旨みの成分にあたります。ヒトの体内でも生成、分解されています。)はATPや神経系の信号伝達、DNA産生に必要なものです。そのプリン体の過剰な産生、あるいは排泄低下により血中の尿酸値が7mg/dlを超えると高尿酸血症と診断されます。
プリン体とは肉、魚、野菜など食べ物全般に含まれる旨み成分です。体内で分解されると尿酸になり体外に排出されますが、尿酸量が排出能力を上回ると痛風(つうふう)(以下に説明)になりやすくなります。
尿酸排泄低下型(にょうさんはいせつていかがた):遺伝や肥満が主な原因とされています。6割がこのパターンです。
尿酸産生過剰型(にょうさんさんせいかじょうがた):プリン体を多く含む食べ物を摂取したり、激しい運動、炎症性の疾患で細胞が破壊されて、その結果体内でプリン体が過剰に産生される。1割がこのパターン。
代表的な疾患の『痛風』:過剰な尿酸が関節や腎臓で炎症を起こす病気です。
ATPとは:アデノシン三リン酸といって筋肉を動かす元になるものです。
・意識障害(*6)(いしきしょうがい):周囲のこと、自分のことや時間的なことについて判断できなくなった状態
・麻痺(*7)(まひ):四肢などが完全に機能を喪失していたり、感覚が鈍ったり、感覚が完全に失われた状態を指す
・冠状動脈狭窄(*8)(かんじょうどうみゃくきょうさく):心臓に栄養を送る表面にある太い血管が狭まること
・脳血管障害(*9)(のうけっかんしょうがい):脳に血液を供給する血管に障害が生じることで、脳の機能が影響を受ける状態を指します。代表的なものとして、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など
・心血管障害(*10)(しんけっかんしょうがい):おもに動脈硬化によって血管の内腔が狭窄し、臓器への酸素を豊富に含んだ血液の供給が不足する疾患
・腎障害(*11)(じんしょうがい):腎機能が低下する状態で、 尿から老廃物を排泄できなくなり、さらに体内の水分量や塩分量など(体液)を調節することができなくなるなど
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